nightfall in the forest
Shoko Okumura Solo Exhibition
Exhibition date
November 20th - December 2th 2024
Hours
10:30 - 19:30 (Closes at 16:00 on the last day only)
Location
Shinjuku Takashimaya Department Store, 10F Art Gallery
Website
このたび、髙島屋では奥村祥子展を開催いたします。
奥村氏は千葉県に生まれ、2008年、東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業。同年イタリアへ渡り、Universita' Internazionale dell'Arte美術大学フレスコ画修復科を修了し以降、ミラノを拠点に作品の発表を続ける傍ら、イタリア現地のバッグ(SERAPIAN)やシューズブランド(Maison TOMA)とのコラボレーション作品等を手掛けるほか、2023年にオープンしたブルガリホテル東京、スイートルームヘッドボードに作品が西陣織で再現されるなど、現在国内外で注目され、その表現力が高く評価されている画家の一人です。
今展では、ドイツの詩人クリスティアン・モルゲンシュテルンの詠んだ詩 “夜の森に” にヒントを得ながら、森の夜、時に静謐で内省の伴う空間、人間が人間らしくあるために形成された空間ではなく、生も死も内在する異世界のような闇夜に漂う静寂と神秘性を、日本画という淑やかな画材によって纏めあげられた表現で、それでも何かを信じ、切り開いてゆくしっかりとそして確かな足取りを、かすかな灯のような希望として滲ませる作品を展観いたします。生と死、美しさと恐れ。その表裏が介在する狭間に漂う時間と空間の魅力をこの機会にぜひご高覧賜りますようご案内申しあげます。
髙島屋美術部
静寂と神秘が支配する夜の森
穏やかでありながらも不気味な雰囲気に誘われ
森がまるで異世界のように感じられる瞬間がある
取材する中で夜の森に囲まれたときに感じる静かな恐怖
それに伴う静謐な内省の時間が好きだ
私は数年前、病を経て、死への恐怖を心から実感することがあった
暗い森の霊的世界から人間が営む現実世界を望んだような風景を
その狭間に居るような感覚を抱えながら制作している
Christian Morgensternの詩“夜の森に”には
そんな恐れと孤独、夜の森が持つ儚い夢幻が凝縮されている
詩の中で繰り返される不安を取り払う「何か」は人によって異なるのだろう
私の場合、それは絵を描くこと
描くことで恐れを克服し、暗闇の中を進んでいく感覚
そして闇の恐怖とは反対に 暗い森のなかから垣間見える人の営みの灯り
安堵と希望をもたらし、道を照らす灯り
詩と併せて、是非会場で作品を観賞して頂ければ幸いです。
奥村 祥子